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〔2023〕
- 1月 フィールド「おやさいランチ」
- 2月 ヤキイモマン「やきいも」
- 3月 Cocona「おまかせランチ」
- 4月 キッチン マルイ「油淋鶏定食」
- 5月 ほほほのほ「日替わりランチ」
- 6月 カノア クリップ「からあげランチ」
- 7月 山城屋茶舗「抹茶ラテ」
- 8月 TADAIMA!PEACE「気まぐれランチ」
- 9月 ア陸蒸気「日替りランチ」
- 10月 SPiGOLA「スピゴランチ」
- 11月 SLOTH「ミルク氷れん乳ミルク味」
- 12月 おかずや安達「おかず」
2023.12 おかずや安達「おかず」
近所の家はどこも台所がないらしいで…知らんけど
「流行りのものはよう作らん」ショーケースやテーブルにビッシリと並べられたおかずの数々。煮物や焼き物、揚げ物、和風に洋風、中華風と実に多種多彩で、その数は約30種類にも及びます。「映えへんおかずばかりですわ」と謙遜するのは、店を切り盛りする2代目の安達功二さんと暁美さんご夫妻。いやいや、どれもこれもごっつ食欲をそそるビジュアルのおかずばっかでんがな。
昼前には空っぽになることも。創業は昭和38(1963)年やから、ちょうど60年の老舗。「おかずや」と親しまれ、朝9時の開店と同時にお客さんが次々とやって来ます。それぞれのお客さんと暁美さんの掛け合いが軽妙で、耳に心地良うてホッコリさせられます。以前は夕方まで残っていたおかずは、コロナ禍でテイクアウトが主流になって以降、早々に売り切れることが多くなったといいます。
甘めで優しい味付けのおかず。調理は毎朝4時半からスタート。味付けにこだわりはないが、甘めを好むお客さんが多く、自然とそうなったとか。途中、6時を過ぎると、功二さんが福知山地方卸売市場へ翌日の仕入れに走ります。メニューは予め決められとるんやなく、その時に仕入れた季節の食材で決まるそうです。開店後、客足が一段落ついた頃合いを見計らって翌日の仕込みに取り掛かります。
「ウチは〝まかない屋〟」作る料理はあくまでも脇役、と功二さん。メインの料理の他にもう1品が欲しい時、お父さんの晩酌のアテがない時、作る時間がなかった時…等々。ここぞという時、ホンマに便利なお店です。ご近所には「おかずやのおかずで大きくなった」という方がいるんも大袈裟やありませんね。何もかもが値上がりする中、価格を抑えて商売に励むご夫妻。60年も続く人気店なんは、美味しさだけやなく、飾らない人柄があってこそでっしゃろね。さて、次は何を買って帰ろかな?
【店舗情報】
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2023.11 ミルク氷とワッフルのカフェ SLOTH「ミルク氷れん乳ミルク味」
ララライ ララライ♪(粉雪/レミオロメン)と口ずさんでしまう美味しさやん
ココは〈緑が森〉か?広小路商店街で一際異彩を放つ店舗。鮮やかな緑の木々に覆われた店内では、山ねずみのロッキーとポリーがお話ししていそうです(アラ還世代にしかわからん話でゴメン)。そう、「コレはどこ?」と発行直後から話題沸騰やった先月号の表紙の舞台がSLOTHですわ。
あの「キーンッ!」がないやさしい味わい。まずは、その口当たりに驚きます。まるで粉雪を口に含んだような滑らかさです。固体の氷をシャカシャカ削るんやなく、液体の牛乳でサラサラ作るからこそなんでっしゃろね(人工スキー場の雪を作るみたいやいうたらイメージしやすい?)。実はコレ、韓国風のかき氷なんです。丹後のヒラヤミルクの牛乳を韓国製のマシンでサラサラにしていきます。たまたま来店した韓国からの観光客も喜んだというホンマもんです。削った氷にシロップをかけるかき氷みたいに、味にムラがあったり、薄まったりせぇへんのも特徴ですね。
さらに進化させた店。約10年前、ママ友グループとしてスタートし、アチコチで手作り雑貨等の出店を精力的にやってはったfurimama*。約2年前に管理人の西浜早織さんが現在の店舗の2階で雑貨販売を始め、昨年10月からは1階でカフェの営業も。お子さんのおやつとして作ってはったワッフルの素朴な味が評判になり、隠れたファンが増えてはいたもんの、「何か目玉になるメニューを」という思いも持ち続けていた西浜さん。熟考を重ねた末、7月に登場したんがミルク氷ですわ。それを機に、自身の店としてカフェの屋号をSLOTHにしはりました。
意外と落ち着く店内。徐々に人気が高まっているミルク氷。取材中にも、コレをお目当てのママさんたちが次々と来店します。イチゴやチョコ等、味のバリエーションも豊富で、アイスクリームやクッキーのトッピングもOK。秋冬向けのメニュー増え、ますます進化を続けていきそうな予感でっせ。
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2023.10 ダイニングバー SPiGOLA「スピゴランチ」
セイントフォーを知らんのか⁉
意外とイケる男の手料理!ライブハウスや音楽スタジオのFARMにダイニングバーがオープンしたんは、開業から4年後の2011年春。当初はレトルトのものを提供しとりましたが、オーナーの塩見忠彦さんが「好きやない!」とすぐにやめ、パスタソースからピザ生地まで手作りするように。とはいうもんの、飲食店での修行経験もなく、何から何まで独学やというからビックリしまっせ。以来、美味しさを求めて試行錯誤を繰り返し、毎日が緊張と発見の連続で常に進化し続けとります。
欲張りなオーダー。看板メニューのスピゴランチは、日替わりのパスタ(5~8種類)かピザ(3~5種類)が選べます。何がうれしいって、パスタが50~120gまで、10g刻みの好みの分量でオーダーできること。画像のパスタは真イワシのスピゴラソース(オリジナルソース)の100g。前菜のサラダプレートにスープ、デザート、飲み放題のソフトドリンクまで付いとるから、もうお腹いっぱいでんがな。カミさんと行く時は、ピザと120gのパスタをオーダーし、シェアして頂くのがお約束です。
スタジオと卵パックとアタシ。開業する直前、防音対策やいうて塩見さんが、スタジオの壁に紙製の卵パックを打ち付けてはりました。その光景を昨日のことのように思い出しますわ。もう四半世紀にもなるんやね。その頃に聞いたんが、セイントフォー(伝説の4人組の女性アイドルグループやん!)のバックバンドでベーシストをやってはったって話。そんな元プロミュージシャンの塩見さんも、休日には趣味の釣りに興じ、釣果が度々パスタの具材になることも。食材に使うバジルやイタリアンパセリ、ローズマリーも「香りが違う!」と自家栽培やから恐れ入ります。何となく入りづらいと思っているアナタ、ゆったりした雰囲気のお店やからご安心を。
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2023.9 ア陸蒸気「日替りランチ」
ご飯とお汁にZokkon Love♡
最上級の惚れ方さ♪アタシ、ココのご飯と汁物の味にゾッコンなんです。このコーナーを担当して10数年。数多くのお店に行かせてもらいましたが、アタシ的にはナンバー1の美味しさです。きっとエエ米を使ってはるんやと思っていたら、さにあらず。産地や銘柄やなく、寡黙なマスターが炊き方にこだわってはるんですって。あえてその方法は書きませんけど、そらぁ「なるほど!」でっせ。汁物の奥深い美味しさは、新鮮な魚のアラで丁寧に出汁を取るからこそですわ。
きっかけはダイエットの失敗。肉、魚介、野菜がキレイに並ぶ日替りランチ。メインの料理がバーンっ!と1つやなく、焼き物、揚げ物、刺身やカルパッチョ等の生物とバラエティ豊か。とにかくまぁ食材と調理法のバランスが絶妙なんです。いきなりご飯と汁物の美味しさを書きましたけど、もちろんどの料理も絶品です。自身の失敗から、オーナーの吉田典子さんがバランスの良い食事の重要さを痛感し、それを常に心がけてはるからこそ。ホンマに感心させられますわ。
なかなか引き出しを開けないマスター。週に1度、あまづキッチンの朝市で仕入れる野菜。毎日、舞鶴の業者から届く魚介。そして、厳選された肉。それらの食材を、マスターがさまざまなジャンルの料理に仕上げてくれます。カウンター越しに見える大きな囲炉裏は、これまた炭火での調理にこだわってはるから。メニューは朝、吉田さん自身が食べたいもんをマスターにメールでリクエストするとか。吉田さん曰く何でもできるマスターですが、まだまだ隠し持っとるもんがありそうでっせ。
都市伝説まで生んだ店名。「なんで店名に『ア』が付くの?」誰もが疑問に思い、いろんな説が唱えられとります。正解は店名の「陸蒸気」に2画足すと運気が上がるからやそう。来年夏には20周年を迎えるから、盛大な記念イベントがあるかもしれまへんで。
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2023.8 TADAIMA!PEACE「気まぐれランチ」
東京・中野には不純喫茶があるらしい
とんと目にせんようになった純喫茶。若い世代の読者には「?」かもしれませんね。酒類を提供しない純粋な喫茶店のことで、アタシらが幼い頃は当たり前にありました。たまに「純喫茶」の看板を見かけると、ノスタルジックな気持ちにさせられますわ。ちなみに東京の「不純喫茶」は、昼間は純喫茶、夜は酒場として営業していることからネーミングされたんですって。ナイスでんがな!
不定期ながら週に3日程度の営業。オーナーの足立美保子さんが、レンタルスペースのアーキテンポ(新町商店街)に出店しはったんが昨年9月8日。純喫茶で働いていた経験から、そのノウハウを活かしてお店を切り盛りします。当初はナポリタンやオムライス等、純喫茶ならではのメニューがズラリと並んどりました。
週替わりのまさに気まぐれなメニュー。家庭的なメイン料理3品と副菜のボリューム満点な気まぐれランチ。見るからにガッツリ系なんは、足立さんの旺盛なサービス精神から。この日のメインはニラ豚炒め、チキンカツ、チャプチェとバラエティに富んどります。どれも手作りなんはもちろん、作り置きはせんと注文を受けてから調理されます。カツの衣も揚げる前につけ、ソースだけやなくハニーマスタードまで用意する等、料理に何かしらひと手間をかけるのは足立さんのこだわり。チキンカツのサクっとした食感とジューシーさがたまりませんわ。
TADAIMA! かつて、PEACEという子供服のお店を営んではった足立さん。お店を再開するにあたり、その店名に帰宅時の挨拶「ただいま」を付けてTADAIMA! PEACEにしはったんですって。「PEACEが帰ってきました!」ってとこやね。「家に帰ってからいただくような家庭的な料理やから『ただいま』やと思った」とは常連さん。その言葉に笑みがこぼれる足立さんです。
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2023.7 山城屋茶舗「抹茶ラテ」
秘密戦隊ゴレンジャーにチャ(茶)レンジャーなんかおらんわ!
※秘密戦隊ゴレンジャー…色分けされた5人のヒーローが活躍するスーパー戦隊シリーズの元祖
気軽に楽しむ福知山のお茶。 大正元(1912)年に創業した日本茶の専門店。昨年9月、創業110年を記念して、店舗の一角に小さなカフェスペースがオープンしました。目玉は福知山産の抹茶や玉露を使った専門店ならではのメニュー。地元の美味しいお茶をじっくり飲み比べてもらいたい、お茶の魅力を気軽に手軽に知ってもらいたいという思いも込められとります。
やっぱホンマもんは全っ然ちゃう!さて、抹茶ラテです。抹茶の原料である福知山で育った碾茶をカフェ専用に仕入れ、石臼で丁寧に引きます。それを茶筅(シャカシャカするヤツね)で1杯ずつ点てて作るんですわ。そう、風味や色を着けとるだけのナンチャッテな抹茶〝風〟ラテやなく、正真正銘の抹茶ラテです。今の流行りでいうたらシン・抹茶ラテといったところ…やろか?とにかく、一般的な抹茶ラテとは明らかに違いますわ。濃厚で、味わい豊かで、爽やかで、そして美味しいんです。ミルクとのマリアージュも見事で、後味もスッキリしとります。 若年層や男性にも人気。ベビーカーを押したママさんたちが足しげく通い、男性市職員が昼休みにカップを片手に店頭のベンチでマッタリしていることも。最近は福知山城への観光客はもちろん、ちびっ子ファンも増えつつあるそうですわ。
トラウマからの脱却。正直いうと、アタシは抹茶系のもんて苦手やったんです。幼い頃、喫茶店でオーダーした大好きなミルク金時やなく宇治金時が出てきて、泣きそうになりながら食べさせられたんが原因かも。大人になってからは食べられへんことはないもんの、やっぱ好んでチョイスすることはありません。ところが、編集室でたまたま頂いた抹茶ラテの美味しさに衝撃を受け、以来ハマってしもとります。抹茶がダメなアナタも、ぜひチャレンジを。きっと虜になりまっせ。
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2023.6 カノア クリップ「からあげランチ」
土曜夜店は子どもだけで行ったらアカンのやで! (ローカルな昔話でスマン!)
「サーファー通り」って知ってはります? アタシらの幼少時代、北口側の駅前って、向かい合う「さとう」と「ファミリー」っちゅう2つの大型ショッピングセンターが鎬を削っとって、ホンマに賑やかでした。で、両店の間にある通りを、それぞれの店名の頭文字を取って「サーファー通り」と呼んでたんですわ。アタシは今でも頑なにそう呼んどります。夏の土曜日にあった土曜夜店は、中高生のデートスポットでもありましたね。
ご飯だけでも勝負できる米!そのサーファー通りに昨春、忽然とオープンしたのがこのお店。おにぎりをメインにした、この辺じゃ珍しい「おにぎりカフェ」です。お米は綾部市郊外の契約農家から仕入れるコシヒカリ。それを丁寧に炊き上げ、ご飯を型にはめ、優しく握って仕上げます。お米の美味しさはもちろんやけど、ホロッと崩れる握り加減が絶妙なんですわ。ほのかに甘味も感じる塩味は、宮城の「伊達の旨塩」によるもの。国内外の塩をアレコレ取り寄せ、その中から選んだ逸品。具材は梅、明太子、ちりめん、サケ、こんぶ、とりそぼろからお任せで。
カラアゲニスト※が絶賛。旨味がタップリでサクっとジューシーな鶏もも肉の唐揚げ。下味にニンニクを使わへんのは女性客が多いことへの心遣い。日替わりの小鉢にも気合いが入ります。今回、冷奴の薬味には自慢の梅ひじきを。これからの季節は冷奴推しやから、薬味も徹底的に工夫するんやて。そうそう、食後のコーヒーにもこだわりがあるんは、あくまでもカフェやという信念があるから。
お弁当もエエで。夜の営業時には、唐揚げをアテにお酒を吞みたいし、〆におにぎりって最高ですやん。土曜夜店のデートで行きたかったなぁ(見栄張っとります)。予算に応じてお弁当もOKやから、何ぞの行事やお出かけ時にオーダーしたろ。
※誰でも活動できる唐揚げ愛好家のこと。
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2023.5 ほほほのほの「日替わりランチ」
「優しい時間」ってドラマ知ってはりますか?
「ランチでエエね?」初めて訪れた時、いきなりかけられた言葉。常連客も一見客も関係なし。当たり前に来て、当たり前にいただく。そんな空気感がとても心地エエんです。店内の明るさは、決して視覚的なもんだけやありません。
本物の良いものを提供したい。2019年7月にお店を開いた大槻富美子さん。地元産の米と野菜を使い、料理はとことん手作りにこだわります。味噌まで豆から仕込んで作るっていうんやから、いやはやホンマに恐れ入ります。「季節を感じてもらいたい」と旬の食材を使い、少し手の込んだ家庭的な料理でもてなしてくれます。
体にやさしい料理。和洋中、寿司、麺類…料理のジャンルはさまざま。毎日通う人もいるから、栄養バランスと同じ料理が続かないように気を配ります。「儲けよりも『美味しい』と言うてもらいたい」と、このクオリティで2月までは650円で提供されとりました。さすがに物価高騰の波に抗いきれず、苦渋の決断で3月からは750円に値上げされたもんの、常連客は「これで安心して来られるわ!」と笑い飛ばします。
ほほほと笑える憩いの場に。忘れたらアカンのが食後のコーヒー(+200円)。「はい」と目の前に置かれたコーヒーミルで、自分で豆をガリガリと挽くんですわ。それを1杯ずつ丁寧に淹れてくれるんですから、そらぁ味も香りも格別でっせ。ジャズが静かに流れる店内には、見知らぬ客同士が自然と仲良くなれる愉快な雰囲気で溢れとります。
心が豊かになる音楽とコーヒー。「いろんな人とのふれあいが楽しいし、いろんなドラマを見せてくれます」と笑顔で話す大槻さん。ドラマといえば、寺尾聰が主演の「優しい時間」に登場する喫茶店も客が豆を挽いとったし、客同士の会話も賑やかに弾んどったなぁ。そんなことを思い出させてくれるお店ですわ。
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2023.4 キッチン マルイの「油淋鶏定食」
十六文キックのような美味しさ
自然豊かな里山。大江町と隣接する綾部市郊外の物部地区。府道9号沿いに佇む1軒の古民家がキッチンマルイです。エラい遠くやと感じますが、福知山の市街地からでも車で中丹広域農道~府道と走れば意外と近いもんです(個人の感想です)。
地元のブランド鶏。揚げた鶏肉に刻んだ長ネギと醤油ベースのタレをかけた中華料理の油淋鶏。アタシも大好きで、アチコチでよう頂きます。それぞれのお店の味っちゅうもんがありますが、ココの油淋鶏の味はアタシの中でダントツ。使うのはシッカリとした歯ごたえと旨味が特徴の上林鶏。皮はパリッパリやのに、身はジューシー。どないしたらこんなに見事な調理ができるんやろ? 香味甘酢ダレのサッパリした風味と相まって創造される味わいは、まさに驚愕の美味しさでっせ!
店舗は元たばこ屋。調理の仕事に携わり、いずれは自身の店を始めたいと考えていたオーナーの坂根行美さん。たまたま身内が購入した土地に建っていた建物を見て「コレや!」。それを譲り受け、仕事の傍ら約2年をかけて家族らとリノベーションし、昨年6月にオープンしました。店内のテーブルや骨とう品等は知り合いからもらったもの。それらがまた何ともいえんエエ雰囲気を醸し出しとります。
家族も絶賛!油淋鶏は坂根さんが家庭で作っているそのままの味。家族が「お母さんの油淋鶏が本物」といい、誕生日にも必ずリクエストされるとか。メニューを決める時も、真っ先に推されたんやそうです。上林鶏っちゅう地元の最高の食材に、家族に注ぐ愛情もプラスされとるんやから、そらぁ美味しくないはずがありませんわな。決して派手さはないけどメチャクチャ美味しいって、見た目は地味やけど実はよう効くジャイアント馬場の十六文キックみたいですやん(わからん人は自分で調べなはれ)。
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2023.3 Coconaの「おまかせランチ」
医食同源を地でいく店
ホンマにごめんなさい。最初に謝らせてもらいます。店の前はしょっちゅう通ってましたから、その存在はよう知っとりました。でもね、病院の売店やろっちゅう認識でしかあらへんかったんですわ。ほんで、スルーし続けとりました。
SNSで話題沸騰。最近、アタシも参加するSNSのグルメ系グループで、ココのランチが紹介されました。料理の画像を見た瞬間、想像をはるかに超えるクオリティーの高さに「何やコレは!?」。店のインスタグラムにも、そんな料理がズラリと並んどります。己の認識の甘さを悔いると同時に、すぐに飛んで行きましたがな。
多種多彩なラインナップ。この日のメイン料理は煮込みハンバーグ。ハンバーグに目がないアタシは無条件で食いつきます(ハクション大魔王か⁉←って、わからへんか)。目玉焼きの焼き加減もバッチリ。半熟の黄身をソースにからめると美味しさが倍増しまっせ。手作りのメイン料理は日替わりで、和食、洋食、中華とジャンルはさまざま。焼き物、揚げ物、煮物、時には丼物や麺類、カレーの日なども。肉料理が続いても、昨日が鶏なら今日は豚と、同じ食材が続かへんように心がけてはります。
料理人の持ち味を発揮。バラエティに富んだ副菜も手作りで、毎日3、4品が並びます。もちろん前日と同じものは出てきませんし、バランスもシッカリと考えられとります。これは通院している方や看護師、職員等、毎日のように利用しはる多くの方々の健康への気遣いでもあります。2人の調理担当者が交代で作る料理は、それぞれの個性が出とるから、それを楽しむのも面白いもんです。
客の大半を占めるのは年配の方。やっぱり元気な証拠。おまかせランチは結構なボリュームがあるのに、みなさんペロリと平らげてはります。いや、アタシかてお腹がパンパンになるのにでっせ。こないだなんか、隣に座ったおばあちゃんが隠れ人気メニューのケーキセット(シフォンケーキとアイスクリームがドンッ!)までいってはりましたわ。アタシも元気で頑張らなアカンなと、強く感じた昼下がりです。
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2023.2 ヤキイモマンの「やきいも」
来たぞ我らのヤキイモマン
「ヤキイモマンを見たで!」今からちょうど1年ほど前、アタシの周りでにわかにそう騒がれ出しました。ヤキイモマン?サッパリわからへんアタシが、神出鬼没の石焼き芋屋やと知ったんは、それからしばらく後のことでした。
こだわり過ぎひんのがこだわり。焼き芋いうたら乾いた茶色やと思っていたら、皮が赤くて艶もありますやん。剥くか否かを悩むまでもなく、皮ごとかぶりつきます。瞬間「ペースト?」と思わせるほどのシットリ感と美味しさに目を見張ります。口の中の水分を奪われたり、喉が詰まったりするようなこともありません。使う芋のメインは、気に入った契約農家から仕入れる茨城産の紅はるか。「美味しい芋とのめぐり合わせが大切ですね」とオーナーのヤキイモマンさん(本名と年齢は不詳)。腕よりも芋という謙虚な姿勢が男前やわ。
アナタも経験ありません?「い~しや~きいも~♪」の声に勇んで家から飛び出し、いざ買おうとしたら目玉が飛び出そうな金額やったことが。お品書きのない寿司屋ならともかく、まさか焼き芋屋で…。その点、ヤキイモマンは安心です。大500円くらい、中400円くらい、小300円くらいとリーズナブルですから。現金販売なのは、焼き芋を買いにくる子どもにもお金の価値観を知ってほしいからやそう。
地元のお客様とのつながりを大切に。昔ながらの懐かしさと進化した新しさを兼ね備えた焼き芋屋をめざし、各地の焼き芋屋を食べ歩いたヤキイモマンさん。その味は老若男女を問わず愛されます。SNSで販売情報を発信するので、今では常連客も多数。「スーパーで買うものより本気で甘い!」と30代女性の常連さん。食べず嫌いやったお子さんが、この焼き芋だけは食べるようになったんですって。「人生の中で自分もお客様も楽しかったと思える時間を、焼き芋を通して過ごしていきたい」とヤキイモマンさん。みんなの笑顔のために今日も黄色いイモワゴン(勝手に命名)を走らせるのであった。
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2023.1 フィールドの「おやさいランチ」
子どもにも食べてもらいたい健康的なランチ
覚えてはる方も多いんとちゃいます?本誌のクーポンに載っとった、圧倒的なビジュアルを誇る「牛ハラミのステーキ丼」。大好評やったランチ営業でしたが、2018年10月末に突然、約5年間の歴史に幕を下ろしました。
農産物直配所をオープン。 自店で使う野菜の栽培を始めたオーナーの前川大輔さん。そこで生産者と知り合ったことから、地元産の野菜の美味しさを知ってほしい、生産者の販路拡大につなげたいと19年7月、「産直野菜ふくちマルシェ」をスタートさせました。それがランチ営業を終了した理由の1つでもあります。
最高の状態の地元産野菜。 ふくちマルシェが軌道に乗ったこともあり、満を持して22年10月にランチ営業を再開。そこに登場したんがこの「おやさいランチ」です。週替わりの料理をメインに、野菜の小鉢がタップリ5つも付いとります。顔だけやなく生産者の人柄までもを知り尽くした、ふくちマルシェで販売されとる旬のこだわり野菜で作るんでっせ。そらぁ素材の味と品質は間違いありませんわ。
味付けは化粧でいうたら薄化粧。 この日のメインは豚バラのポトフ、小鉢は左から人参のオーブン焼、大根のクリーム煮、ほうれん草のオムレツ、安納芋とベーコンのマヨ和え、ラディッシュとツナのサラダ。化学調味料を使わんと出汁を丁寧に取り、余計な手も加えてへん料理は、どれもごっつ優しい味。野菜そのものが持つ本来の味が引き出され、それが見事に生かされとります。
七色の顔を持つ料理。同じ野菜でも調理法が違えば、料理の味わいも変わります。イタリアン風になったり、韓国風になったり、中華風になったり・・・バラエティの豊かさには、いつもホンマに感心させられまっせ。「料理を食べて気に入ったら、ふくちマルシェで野菜を買って、家庭で調理法を取り入れてほしい」と前川さん。そうしたいんはヤマヤマやけど、カミさんやアタシの腕ではムリでんがな!
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