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今週の1冊8

 

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 キニ子の日記(上)


間部 香代(WAVE出版)1,320円

 

 

小さいころ、親や先生に
「あれって何?」と
質問攻めにしたことはありませんか?

当時、
世界は不思議に満ちていた。
また
わからないことはすぐに聞いたものです。
まあ、
最後には
親に「うるさい!」と言われたものですが。

そんな
世の中の
ささいでどうでもいいこと。
でも気になってしまうアレコレに答える絵本です。

いろんなことが気になる
小学6年生のキニ子さん。

質問を書いた日記帳に
担任の先生が答えます。

たとえば
水泳のバタフライって何?
信号機の電気代ってどこが払うの?
などなど。

印象的なのは
「お母さんは自分を女子っていうけど、女子って何歳まで?」

・・・そこはそっとしておいてあげてください。

小学6年生の素朴な疑問。
アナタの
いまさら聞けない
子どもの頃の疑問が解けるかもしれませんよ。

 

 

 Another 2001


綾辻 行人(KADOKAWA)2,640円

 

 

前作から7年。
続編の予告はされていた「Anoteher」がついに発売。

「死者」がクラスに紛れ込み、
クラスの関係者が次々に死んでいく現象。

前回の惨劇から3年。
新たな夜見北中3年3組の生徒たちは
特別な対策を講じていた。

対策は成功し、惨劇は封じ込めたはずだったのだが…。


待ちに待った綾辻行人氏の新作です。

学園パニックホラーであった前作と同じ舞台で
新たな悲劇が幕を開けます。

今回は前作のからくりを知っていると
逆に足元をひっくり返されます。

前作で有効だった「死者」への対策が
実現しては打ち砕かれる繰り返し。
ジェットコースターのような展開に
思わず一気読みしてしまいました。

対策をあざ笑うように惨劇もエスカレート。
2001年のあの事件が登場したときは
さらにぞっとしました。

そして最後に
惨劇の仕組みが解き明かされるのは
見事というほかありません。

秋の夜長にぴったりの大作。
ぜひ時間に余裕をもってお読みください。

 

 

 この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版


住野よる(新潮社)1,870円

 

 

「君の膵臓を食べたい」で知られる
ベストセラー作家の住野よるによる初の恋愛小説。

なんと
作者自身が愛してやまないバンド
「THE BACK BORN」とのコラボレーションが実現。

作品の構想段階から
お互いに打ち合わせを重ね、
創作の過程も共有する徹底ぶり。

お互いの作品同士が共鳴して
物語の世界がぐんと広がるようです。

物語は高校生の時に
運命的な出会いをした少年。

やがて青年となり
過ぎし日の思いだけを大事に抱えながら
退屈な日々を過ごしていたのですが…

読みながら繰り返し聞いていたのですが、
青春って夏のイメージがある気がします。

音楽も相まって
照りつける夏の青空の下で、
もどかしい思いを叫ぶような情景が浮かびます。

少年のころに抱いた激しい思い。
どんなに忘れられなくても
その熱量は時とともに冷めていくもの。

それでもその思いは
決して色褪せず、消えることはない。

それはまるで
夏の日の思い出のようだと思うのです。

 

 

 あの夏が飽和する


カンザキイオリ(河出書房新社)1,540円

 

 

カリスマ的ボカロPが
自身の楽曲をもとに書き下ろした小説デビュー作。

ボカロPとは
ボーカロイドを使って作った楽曲を
youtubeなどの動画で発表する人たちです。

小説に合わせて動画も公開されています。
きれいな声で叫ぶように歌うのが印象的でしたね。

さて物語は
かつて高校生だった青年と
今、高校生の男女たちとの物語。

癒されない傷を抱えて
愛されたいと渇望しながら
誰もが孤独にもがいている。
そんな物語です。

自殺や出会い系サイトや虐待など
かなり重い設定です。

ただ、楽曲のコメントを見ると
10代からの共感がすごいんです。

思春期って後ろ暗いものに惹かれるものですが
今の10代のリアルって・・・。

読んでいて感じたのは
孤独感と不器用さですね。
スマホの普及で
コミュニケーションは昔より便利になったはずなのに、
逆に人と話すことが難しくなっているような気がします。
身近な誰かに「助けて」と言うこと。
どうしてこんなに言えなくなってしまったのでしょう。

今の10代の抱えるリアルを映した
青春ミステリ。
今の時代だからこその作品です。

 

 

 リュウジ式 悪魔のレシピ


リュウジ(ライツ社)1,430円

 

 

本屋大賞に始まり
本屋が選ぶ本というのも増えました。

その一つが今月発表になりました。

その名は
「料理レシピ本大賞」

書店員が今年発売された料理本の中のベストを選ぶというもの。
今年のスローガンは「食は本能の言葉」です。
おいしいものに言葉はいらないといいますしね。

当店も投票に参加しました。

その大賞に選ばれたのがこちら。

テレビでもおなじみリュウジさんの悪魔のレシピ。

悪魔のレシピというと
高カロリーを思い浮かべそうですが、
半数が低糖質です。
今の時代にあってますね。

こちらのレシピ、
何点か作ってみましたが謳い文句のとおり
悪魔的においしいです。

しかも作り方が簡単なので
この本のレシピしか作らなくなる誘惑が・・・。

でも手間をかけずにおいしいって最高ですよね!

最短で最高の味が作れるこのレシピ本。
お忙しいすべての方へ美味しさを届けてくれます。

 

 

 麒麟を呼ぶ


福島 慶太(PHP研究所)1,650円

 

 

当店関係で失礼します。
この度、当社社長が自著を出版いたしました。

福知山光秀プロジェクトに関わり、
大河ドラマ誘致に奔走したこと。

福知山への愛情。

書店経営者として出版業界の危機感。

そんな魂のこもった一冊です。

福島文進堂は昔より
町の本屋さんとして
福知山の皆様に大変
お世話になってまいりました。

しかし
書店を取り巻く環境は厳しく、
全国的に町の本屋さんが
姿を消していっています。

そんな中で、
当店は今後も福知山の皆様とともに
どのように歩んでいくのか。

改めて
当店の立ち位置と書店業界の未来を
考えさせられ、背筋の伸びる思いがしました。

この先も
福知山の皆様とともに歩んでいくために。
麒麟のくるような店でありたいものです。

 

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